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18歳未満の選挙運動「一律禁止は違憲」の判決 政治参加の自由か、子どもを守る規制か

18歳未満の選挙運動を罰則付きで一律に禁じる公職選挙法の規定について、東京地裁が表現の自由に反し違憲だとする初めての判断を示しました。原告の高校生らは法改正まで求めて控訴しています。禁止を見直すべきだとする立場と、未成年者を守るための規制は必要だとする立場の主張をまとめました。

投票所の投票箱(イメージ)
イメージ写真:Halowand / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

この記事のポイント

  • 公職選挙法は、18歳未満の人が選挙運動をすることを禁じており、違反すると1年以下の拘禁刑か30万円以下の罰金が科されます。特定の候補者を当選させるためのSNSでの応援投稿も、選挙運動にあたる可能性があります。
  • 東京地裁は9月25日、この規定は表現の自由を保障した憲法に反するとして、初めて違憲と判断しました。一方、大人が未成年者を選挙運動に「使う」ことを禁じる規定は合憲とし、損害賠償の請求も退けました。
  • 原告の高校生ら4人は10月7日、法律を変えるところまで求めて控訴しました。判決が確定していないため、今の規定は効力を持ったままです。
  • 新聞の社説は、そろって判決を評価し法改正を求めています。国は裁判で、未成年者が不当な選挙運動に巻き込まれるのを防ぐための規定だと主張していました。

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① 何が起きているのか

公職選挙法の規定

規定 内容 東京地裁の判断
137条の2 第1項 18歳未満の人は、選挙運動をしてはならない 違憲(表現の自由に反する)
137条の2 第2項 18歳未満の人を使って選挙運動をしてはならない(労務に使う場合を除く) 合憲
罰則 1年以下の拘禁刑か30万円以下の罰金。刑が確定すると選挙権・被選挙権も停止 第1項に関わる罰則は違憲
  • 判決は確定しておらず、今の規定は効力を持ったままです
  • 判決が出るまで、この規定が憲法に合うかどうかを裁判所が判断したことはありませんでした

選挙運動と政治活動の違い

  • 選挙運動:特定の選挙で、特定の候補者を当選させるために票を集める行為(SNSでの応援の呼びかけも含まれうる)
  • 政治活動:政治上の目的で行う活動のうち、選挙運動にあたらないもの。18歳未満でも公職選挙法の規制は受けません

裁判の経過

  • 原告:提訴当時16〜18歳の4人(判決時は17〜20歳)
  • 9月25日:東京地裁が第1項を違憲と判断。損害賠償の請求は退ける
  • 10月7日:原告が東京高裁に控訴

② それぞれの意見

各立場の主な主張を、元の発言や記事をもとに、当サイトがわかりやすくまとめています。

見直し派の意見

  1. 未成年者が自分の関心や価値判断に基づいて選挙運動に参加することを禁止する根拠は見いだせません。規定は表現の自由という精神的自由に対する重大な制約で、保護すべき未成年者を処罰することは合理性を欠きます(東京地裁判決、衣斐瑞穂裁判長)。

  2. 原告の一人は、選挙のボランティアを申し出ましたが、規定に触れるおそれがあるとして断られました。別の原告は「どんな意見でも、声をあげることが禁止されることはおかしい」と訴えています。原告側の弁護士は、選挙の公正が問題なら、未成年者を動員する大人を規制すれば足りると主張しています。

  3. 選挙権がなくても、政治に参加する権利は保障されています。政府と国会は、選挙の公正と未成年者の保護を前提に、法改正に着手すべきです(東京新聞)。朝日新聞、北海道新聞、西日本新聞なども判決を評価し、規定の見直しを求めています。

規制維持・慎重派の意見

  1. この規定は、未成年者が不当な選挙運動に巻き込まれるのを防ぐためのもので、合憲です(国側の主張)。国は裁判で、選挙制度は国会の広い裁量に委ねられているとしたうえで、規定ができた1952年当時は未成年者が連呼や人海戦術に動員される弊害があったこと、判断能力が十分でない未成年者が巻き込まれるのは教育上望ましくないことなどを挙げました。

  2. 判決も、親や周りの大人など影響力のある立場の人によって、本人の意思に沿わない選挙運動をさせられるおそれがあるとして、未成年者を選挙運動に「使う」ことを禁じる規定は必要だと認めました。本人の自発的な参加と、大人による動員の線引きは非常に難しく、断りにくい立場からの働きかけをどう防ぐかが課題です(乙武洋匡氏)。

  3. 総務省は「判決の詳細は今後内容を精査したい」とコメントするにとどめています。関芳弘・文部科学相は、現段階で直ちに学校での主権者教育に影響が出るとは捉えていないとしています。学校の政治的な中立性をどう保つかも、見直しにあたっての論点になります。

背景を読む:それぞれの思惑

ここからは編集部の見立て(推測)です。裏付けはありませんが、推測のもとにした事実には出典を付けています。

国会・政府

70年以上、議論されてこなかった規定

推測規定は1952年にできて以来、国会で具体的に見直されてきませんでした。判決は「国会にボールを投げた」形で、法改正には各党の議論が必要になります。原告の控訴は、最高裁の判断や法改正まで見据えたものとみられます。

推測のもとにした事実

世の中の声

SNSの反応

見直し寄りの声

  • アメリカでは子どものころから選挙運動に参加できた。日本はなんでも規制しすぎだと思う

  • 「若者が政治に関わるな」という空気が、高校生の選挙運動まで法律で縛ってきた。声を上げる機会を奪うべきではないと思う

規制維持・慎重寄りの声

  • 学校の政治的な中立性や、生徒が大人に政治利用されるリスクが軽く見られていないか心配だと思う

集め方:X(旧Twitter)で「未成年 OR 18歳未満」×「選挙運動」(いいね30件以上・話題順)と、「選挙運動」×「未成年 OR 高校生」×「利用 OR 動員 OR 慎重」など(いいね10件以上)で検索し、2026年9月24日〜10月12日の日本語投稿を確認しました。判決を歓迎する投稿が多く見られました。解禁の賛否を聞いた世論調査は、確認できた範囲では見当たりませんでした
無作為に抽出したものではなく、世論を代表するものではありません。
「共感」の数は当サイト読者の反応で、世論調査ではありません。1つの声につき1回押せて、もう一度押すと取り消せます。

③ ポイント整理

意見が一致している点

  • 若い世代の政治参加を広げることは大切だということ
  • 大人が未成年者を本人の意思に反して選挙運動に動員することは防ぐべきだということ(判決もこの規定は合憲としています)

意見が分かれている点

  • 18歳未満の自発的な選挙運動まで、罰則付きで一律に禁じる必要があるか
  • 自発的な参加と、大人による動員をどう線引きするか
  • 学校の政治的中立性や主権者教育への影響をどう考えるか

今後の注目点

  • 東京高裁での控訴審の判断
  • 国会や総務省が、公職選挙法の見直しに動くかどうか
  • SNSでの投稿など、未成年者の選挙運動の線引きを示す議論

若い世代の政治参加を広げることや、大人が未成年者を選挙に動員するのを防ぐことには、ほぼすべての立場が賛成しています。分かれているのは、「本人の自発的な選挙運動まで罰則で禁じるべきか」です。 見直し派は、判決を機に一律禁止をやめ、法改正を急ぐべきだと主張します。慎重派は、本人の意思と大人による動員の線引きが難しく、未成年者を守る仕組みを丁寧に考える必要があるとしています。

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※ 記事を読んだ方が自由に答える読者アンケートで、統計的な世論調査ではありません。当サイトとしての賛否を示すものでもありません。

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