同僚の産休で仕事が増えても給料は同じ 不公平なのか、支える側への手当は必要か
「同僚の産休で業務は増えるのに給料は変わらず、休む側には給付金が出る。不公平ではないか」という相談を取り上げた記事が話題になっています。支える側にも報いる仕組みが必要だとする立場と、休む人ではなく職場の体制の問題だとする立場の主張をまとめました。

この記事のポイント
- ファイナンシャルフィールドが10月14日、同僚の産休で仕事が増えたのに給料が変わらないのは不公平ではないか、という相談を取り上げ、Yahoo!ニュースのアクセスランキング上位に入りました。
- 産休中の人は、健康保険から「出産手当金」(給与のおおむね3分の2)を受け取れます。仕事を休むことへの報酬ではなく、休業で減る収入を補うための制度です。
- 同僚の産休で仕事が増えても、それだけで会社が給料を上げる法律上の義務はありません。残業が増えれば、割増賃金は支払われます。
- 国は、休む人の仕事を代わりに担う社員に手当を出す企業を助成する制度を設けています。2026年度からは大企業も、手当を支給する場合の対象になりました。
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① 何が起きているのか
産休・育休中のお金の仕組み
| 制度 | 出どころ | 内容 |
|---|---|---|
| 出産手当金 | 健康保険 | 産前42日・産後56日のうち、給与が出ない日に、おおむね給与の3分の2 |
| 育児休業給付金 | 雇用保険 | 育休中の収入の減少を補う |
仕事を引き継ぐ側は
- 業務が増えただけでは、給料を上げる法律上の義務はない
- 1日8時間・週40時間を超える残業には、25%以上の割増賃金
- 会社が独自に「業務代替手当」などを設けることはできる(国の助成制度あり)
② それぞれの意見
各立場の主な主張を、元の発言や記事をもとに、当サイトがわかりやすくまとめています。
支える側にも報いるべき派の意見
育休の代わりの要員を「十分確保できている」と答えた企業は34%にとどまり、同僚への負担を気にして育休を早めに切り上げた例もあります。一時金や特別手当を出したり、人事評価で加点したりして、支える同僚に報いる仕組みが必要です。三井住友海上は、育休を取る人の同僚に、職場の人数などに応じて最大10万円の一時金を出しています(松本真樹・人事戦略研究所コンサルタント)。
休んだ人の仕事を引き継ぐ社員に、国が直接お金を出す一般的な制度はありません。ただ、会社が「業務代替手当」などを設けることはでき、国は「両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)」で後押ししています。自分の会社に手当がなければ、就業規則を確認し、人事に制度の導入を相談するとよいでしょう(ファイナンシャルフィールド編集部)。
欠員を補わなければ、カバーする同僚の負担が増え、不公平感や、休む人と支える人の分断につながりかねません。負担が増す同僚への手当を検討すべきです(福澤涼子・第一生命経済研究所副主任研究員)。
職場の体制の問題派の意見
出産手当金や育児休業給付金は、仕事を休むことへの「ご褒美」ではありません。休業で給与が出ない間の収入の減少を補い、生活を支えるための制度で、額も給与のおおむね3分の2です(ファイナンシャルフィールド編集部)。休む人が得をしているわけではありません。
不公平感の原因は、欠員を補わないまま残った人に仕事を上乗せする職場の体制にあります。業務の外部委託や効率化、休む人の復帰を前提にした人の配置を工夫するのは会社の役目です(福澤涼子氏)。
妊娠や出産、産休・育休の利用を理由に嫌がらせをすることは「マタハラ」などのハラスメントにあたり、会社には防止の措置が義務づけられています。負担が大きいと感じたら、休む本人ではなく、上司や人事に業務分担の見直しを相談するのが筋です。
背景を読む:それぞれの思惑
ここからは編集部の見立て(推測)です。裏付けはありませんが、推測のもとにした事実には出典を付けています。
会社
なぜ「代わりの人」を入れないのか
推測産休や育休は期間が限られるため、その間だけ人を雇うのは難しく、今いる社員で回そうとする会社が多いとみられます。国が手当への助成を広げているのは、人を増やせない会社でも、せめて支える社員に報いられるようにするためと考えられます。
推測のもとにした事実
- ・代替要員を「十分確保できている」企業は34%にとどまる人事戦略研究所(松本真樹氏)(4/3)
- ・2026年度から、手当を支給する場合の企業規模の要件がなくなり、大企業も助成の対象になったファイナンシャルフィールド(Yahoo!ニュース)(10/14)
世の中の声
③ ポイント整理
意見が一致している点
- 産休・育休は、働く人の生活を支える大切な制度であること
- 休む人の仕事を引き継ぐ同僚の負担は、無視できないこと
意見が分かれている点
- 支える同僚への手当を、会社の制度としてどこまで広げるべきか
- 不公平感の解消を、手当で図るか、人の補充や仕事の見直しで図るか
今後の注目点
- 同僚への手当を設ける企業がどこまで広がるか
- 国の助成制度の使われ方
産休・育休を守りつつ、支える同僚の負担にも目を向けるべきだという点では、どちらの立場も一致しています。分かれているのは、何で解決するかです。 支える側にも報いるべき派は、手当や評価で同僚の頑張りに応えることが、休む人も気兼ねなく休める職場につながると考えます。職場の体制の問題派は、休む人が得をしているわけではなく、欠員を補わない会社の体制こそを変えるべきだとしています。
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